設立趣旨

色水遊びをする親子
土や水で遊ぶ幼児たち
ベーゴマやベイブレードで遊ぶ子どもたち
どろだんごに絵具を自由に塗る男の子

 

 近年の社会環境の大きな変化によって、子どもたちの生活からは自由に遊べる空間や時間、仲間が急激に失われています。子どもが育つ地域コミュニティも希薄化し、治安への不安から子どもたちを外で自由に遊ばせることも難しくなっています。子どもが集う場所にいる大人には責任や結果が求められがちで、子どもが大人の価値観を超えて自由に行動したり、自分で判断したり、その時の感情にしたがう、ということがしづらい社会になっています。

 

 私たちの前身である「さいたま冒険遊び場・たねの会」はそのような社会背景をふまえ、「冒険遊び場づくり」を1つの手段として「子どもたちがのびのび遊べるまちをつくろう」という活動をさいたま市内で展開してきました。様々な方々が立場や枠を超え、公園という場を使って大人も子どもも入り混じって遊びながら、それぞれの「やってみたい」や「面白い」認めあい、応援しあえる遊び場づくりを行ってきました。それは、子どもと子ども、子どもと大人、大人と大人、そして自分が自分と出会い、自信と信頼を培っていく過程であり、社会の子どもへのまなざしを変える取り組みでもありました。そしてその場は、周囲に居場所が見つけづらい子どもや大人のセーフティネットとしても機能していたように思われます。

 

 私たちは、今後も冒険遊び場づくりを実践しながら、遊ぶことや遊び場づくりの価値を発信し、行政をはじめとする様々な機関やそこに暮らす方々と連携しながら、さらに多くの地域に冒険遊び場づくりを広めていきたいと考えています。また、冒険遊び場づくりの域にとどまらず、子どもたちがのびのび遊べるような環境づくりや、命の営みである「遊び」を大事にできる風土を培い、多様な人がともに尊重しあいながら生きていくことのできる、遊びあふれる豊かなまちづくりのたねの会となることを目指し、ここに法人申請をいたします。

 

 

2016年10月